アイスランド料理について

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■味わってみたい食材はフレッシュな魚介と世界一おいしいマウンテン・ラム

アイスランドのシーフード、ラム肉、乳製品を食すると、その素材の良さにすぐに気がつく。それは極北に位置し、海も川も農園もクリーンでピュアーで魚や動植物が生育する環境が優れているからに違いない。

レイキャネース 半島、ブルーラグーンに近い港町グリンダヴィークの魚市場を訪れたことがある。重さが120kgを超える大きなハリバット(おひょう)が無造作に何本も吊るされていた。近くの漁場で水揚げされたばかりで、これからレイキャヴィークのレストランに届けられると聞いた。特別に頼み込んで青竜刀ほどの大きさの魚捌き用の包丁を借りてちょっと大き目の刺身を作って食べてみた。これが本当においしく今でも忘れられない。漁場は最寄りの港から10Kmも離れていないので、文字通り獲れてから数時間しか経っていない新鮮なシーフードがレイキャヴィーク市内のレストランに運び込まれる。だから、アイスランドのシーフードが格別なのだと実感したものだ。魚好きの我々日本人には堪らない魅力だ。

ハリバットのほか、アイスランディック・サーモン、タラ、ハドック、ヒラメ、マス、カットフィッシュ、クジラ、ニシンを始め、ホタテやロブスター、シュリンプ、ヨーロピアン・イール、レッド・フィッシュなどが季節ごとにレストランの食卓に並ぶ。こうした食材を使った料理が美しい器にまるで料理の芸術品のような盛り付けで出される。味付けは日本人には少し塩加減が強いような気がするがヴォリュームは丁度好い加減で十分満足できるものばかり。

シーフードと並んでアイスランド料理の素材の代表格はラム肉。アイスランドには、全人口28万の数倍もの夥しい数の羊がおり、いろんなラム肉料理も名物となっている。アイスランドの子羊は生後4〜4ヶ月半が食べ頃で、臭みがないのが特長。短い夏の間、山で様々な香草を食べて育つので、そのままでも、塩漬、燻製にしても最高の柔らかさと味が楽しめる。中でも子羊のスペアリブは最高。

その他、アイスランドならではの料理はトナカイ、パフィーン、ウミガラスを素材にしたものがあり、市内のレストランで味わえる。また、クリスマスには雷鳥料理をサービスするレストランもある。

■アイスランドの伝統料理

アイスランドには古くから残る食の伝統がある。多くは夏が終わって秋を迎えたシーズンに処理された羊を主とする食肉でその保存の可能性は殆ど限定的なものであった。

一般的に伝統料理と呼ばれるものは普通のレストランではスキールを除けばメニューに揃えて いるところは稀だ。以下、アイスランドの伝統料理の代表的なものを紹介する。

ハルズフィスクール(Harðfiskur):簡単に云えば、たらやハドック、ナマズのドライ・フィッシュ。生の魚にいろいろな香辛料を降りかけて、かりかりするほど堅くなるまで陰干しをしたもの。皮が剥けるまで、ハンマーで叩き、身にバターを付けて食べる。 最近ではスナック風にパックされたものが市販されている。

ハゥカートル(Hákarl): 今では大変珍しくなった料理で、何週間も塩漬けにしたサメ肉の輪切りを陰干したもの。食べる時、かなりアンモニアの臭気が強い。 市内のレストラン「スリール・フラッカール」やハプナルフィヨルズゥルにあるヴァイキング・レストラン 「フョルガルズゥルインFjörugarðurinn」でトライできる。
*ハンギキョート(Hangikjöt): アイスランドでも最も伝統的な料理で、子羊の燻製。クリスマスやお祭の時は必ず用意されるもの。
*ブロズモール(Broðmór): アイスランド固有のブラッド・ソーセージ(羊の血、腎臓、油で作ったモノ)。か つて、シンクヴェトリルで野外国会開催中のパン替りであった。
*スヴィズ(Svíð): 羊の頭を燻製にしたもの。最も古い料理の一つ。足などを材料にしたものもある。
*スキ−ル(Skyr): 約1千年前、移住者たちが祖国スカンジナヴィアから持ち込んだ、1種のソフト・チーズで、ヨーグルトとクリーム・チーズの中間的なもので現在ではアイスランドの国を代表する料理と云われ、ほとんどのレストランでデザートしてメニューに載っている。
*スマーラホーブ(Smálahóve): アイスランドの特産羊の頭を丸ごと時間をかけ煮込んだ伝統民族料理。
*リブラルピールサ(Lifrarpýlsa): 羊のレバーのソーセージ。


Revised:12/05/24